「いい商品じゃないと、売れない」
「もっとスペックを上げないと」
そんなふうに、自分の商品にダメ出しばかりしてないか?
なら聞こう…「完璧」って何だ?
商品力は重要だ。だがな…商品は完璧でなくても売れるんだ。
これから話すのは、そんな「ダイソン」のストーリーだ。
世界に選ばれた、重くてうるさい掃除機

今でこそ、ハイテク家電の象徴みたいな顔してるダイソンだけど…最初からスペックで勝負してたわけじゃない。
むしろ、真逆だった。
まずは、そいつがどれだけ選ばれてるか、数字で見てみようか。
- 売上:約1兆1000億円
- 販売国:世界80ヶ国以上
- 従業員:1万人超
すごいよな。文句なしの世界ブランドだ。
でも笑えるのは、世界ブランドになったその商品が…「欠点だらけ」だったことだ。
ダイソンの商品性能は弱かった
掃除機といえばダイソン。
今でこそ「ハイテク家電の代名詞」なんて言われてるが、最初は真逆だった。
- 大きくて重い
- 音がうるさい
- 高すぎる価格
- 吸引力も弱い
どう見てもスペックじゃ勝てなかった。
それでも、世界中で選ばれた理由がある。
それは、強みを変えたことだ。
当時の日本の掃除機にはこんな問題があった。
- 吸引力が落ちてイライラ
- 紙パックの交換が面倒
- 紙パック代もかかる
こうした不満に、誰も手をつけてなかったが、ダイソンが切り込んだんだ。
「吸引力が落ちない、ただひとつの掃除機」
この言葉が、紙パックにうんざりしてた人間の心に刺さった。
スペックじゃなく悩みに答えた。それだけで、欠点まみれの掃除機が、世界のトップブランドになったんだ。
じつは、こんなデータがある(国民生活センター「掃除機の商品テスト結果(2006年)」より)。ダイソンは吸引力でも、日本性の吸引力が落ちた掃除機に及ばなかった、というデータだ。

それにもかかわらず、「吸引力が落ちない」という一点で、ダイソンは多くの方に選ばれたんだ。さすがとしか言いようがない。
売れたのはスペックではなく、コンセプト
ダイソンは、重い、うるさい、高い、吸引力が弱い。性能だけで見れば、日本製のほうが上だったかもな…。
だが、人は数字で動くわけじゃない。
動くのは、納得できる理由があるときだ。
- 「なんか信頼できそう」
- 「これなら不満が解消できる気がする」
- 「あの言葉、わかる。まさに自分の悩みだ」
そういう共感が、金を出す決め手になる。つまり、勝ったのは性能じゃなく言葉なんだ。
お前の商品にも、それはあるか?
買う理由があるなら、それはしっかり言葉で語るもんだぜ。
商品は、完璧じゃなくていい。
お前も思ったことがあるだろ?
- もっとスペックが要るんじゃないか
- 他社と比べて見劣りしてるかもな
- このままだと売れないんじゃないか
そうやって、自分の武器に疑いを向けちまう。
でもな…本当に必要なのは、スペックじゃない。むしろ完璧じゃないほうが、信じられたりするもんさ。
- なぜその商品をつくったのか
- 誰の、どんな不満を終わらせたいのか
そこに物語があるなら、不完全さも「応援する理由」に変わる。むしろ、その欠けてる部分が可能性になることもあるぜ。
数字じゃない。
共感ってのは、そういうもんさ。
スペックではなく「共感される理由」を
ダイソンはな、「高性能」で勝ったブランドじゃない。性能で争う戦場に、コンセプトひとつで勝った奴らだ。
わかるか?
商品ってのは、ただのモノじゃない。
「これは、あなたの不満を終わらせる一手だ」と言い切る覚悟があるかどうかで、勝負は決まる。
それが…俺が知ってるダイソンの物語さ。